切望を伴う至福

「夫の出生とシュークリーム」に拍手とコメントをくださり、ありがとうございます。

子どもの頃は、めったにありつけないものを思う存分に食したい、と切望していましたが、実際大人になってみて、思う存分食べてみると、あの切望感とおいしさは、めったにありつけないその距離感あればこそだったのかもしれないなあ、と思うようになってきました。

勤務中に小さな子どもたちを連れてご来店のお客様が、お子様たちに「一人一個ね、一人百円までよ」と制限を課していらっしゃる様子を見ることがあります。お子様たちは「五十円だったら二個でもいい?」などと知恵を振り絞っていて、ああいう制限のある状態で手に入れたお菓子というのは、きっとさぞおいしいのだろうなあ、と思いながら、彼らがどうするか何を選ぶか、こっそりと観察してみたり。

自分がほしいものや食べたいものを、「うりゃ、大人買いじゃ」と富豪気分で手に入れたり食べたりするのもいいものですが、切望を伴う至福、と出会えたときには、それはそれで、丁寧に取り扱えるといいな。