唾液腺と甲状腺

お誕生日のオリーブのパンについての詳しい説明をありがとうございます。

スライスされたオリーブが四角く平たいパンの中に水玉状に散りばめられているだなんて、その説明だけで、両耳の下の唾液腺がじょわあっと絞られたようになりました。まるごとまるまるのオリーブも肉感的で素晴らしいのですが、この調子で食べていたら、本当にすぐになくなりそうで、一缶のオリーブのおいしさを長く楽しむためには、スライスしながら食べたほうがよいのではないか、と考えなおしていたところです。スライスをしてあるということは、そのオリーブの断面の細胞が舌の表面にあたったときの旨味の広がり具合が、まるごとを咀嚼した時とは異なる快楽をもたらしてくれそうで、想像するだけで身悶え。

そして、ペンネ。ナスとベーコンとトマトの組み合わせは、私も大好きです。もう、こうしておはなしを伺うだけで、ああ、喉(首)の前側の甲状腺のところが、ぎゅぎゅぎゅぎゅうっと、唾液腺とあわせて絞られて、耳の入口に痛みすら覚えます。でも快感。ああ、でも痛い。想像がおいしそうすぎるとき、私の体はこんなふうに、喉のずっと奥のほうで唾液を飲み込んで、こんなふうになるのだなあ。

赤ワインも、オリーブのパンや、ナスとベーコンとトマトのペンネと、ともに味を奏であうことができて、さぞかし満足だったことでしょう。

両手で両耳と首の前側をぐにぐにと押さえながら、唾液腺と甲状腺をほぐしつつ、お誕生日後夜祭をことほぐ夜にございます。