碁石と碁盤の行く末

四十四の碁盤と碁石」を読んでくださり、メッセージを送ってくださり、ありがとうございます。

夫が四十四になったときの日記なので、一年以上前に書いたものですが、あの誕生日プレゼントは、久しぶりに、贈る方も贈られる方も満足なものでした。

三十年前にお亡くなりになられたご家族の大切な碁盤と碁石を処分しようかどうしようか迷っていらっしゃるとのことでしたが、立派な碁盤に貝の碁石は、さぞかし上等なものでしょうし、それは他人事ながらも、ただ捨てるのは惜しいようなもったいないような複雑な気持ちになります。

日本棋院初段でいらっしゃったということは、きっとかなりお強くて、当然ハンディなど不要な戦士でいらっしゃったことでしょう。

夫は夫の父(私にとっては義父、しゅうと)との対戦では、ハンディの石がこのたび四個に減ったと喜んでいました。

囲碁の対戦をするために、義父のお店(義父は理容室を営んでおります)に通ってきてくださる方との囲碁の勝負を見学した夫は、ハンディなしで闘う人々の強さに感心したようで、今はもう義父と自分のことを「ハンディの石は置くけど互角だ」などというわけのわからないことは言わないようになりました。

もしも手放されること自体に抵抗がおありでないのであれば、そんなに立派な碁石と碁盤であれば、寄付してもらえるのであれば、喜んで活用されるところがあるような気がするのですけれど、実際はどうなのでしょうねえ。

夫などは、旅先の宿泊施設に貸し出し碁盤碁石などあれば、喜んでお借りして、部屋で、囲碁の本を読みながら、実際に石を置いて学習するのに使いそうな気がいたします。自分の碁盤と碁石を持参するには、折りたたみ式とはいっても、やはり少し荷物としてかさばりますし。

貸し出し、でなくても、囲碁ルームのようなところがあって、そこで宿泊客同士対戦したい人は対戦できたりすると、腕が互角であればたのしいのかもしれないなあ。

あれれ。遺品の碁石と碁盤のことを考えておりましたのに、いつのまにか宿泊業のサービス内容を考えてますね。

これまで、宿泊業のホームページなどの案内を見る時に、そのつもりで、アメニティのところに「碁盤碁石棋士貸し出し」の表記があるかどうか見たことがありませんでしたが、今後はちょっと気をつけて見てみようと思います。

碁石と碁盤の寄付先としては、宿泊施設以外にも、学童保育施設などで小学生が少数でも囲碁の面白さに目覚めてくれたらたのしそうだなあ、と、私は囲碁のできない立場ですけれど、なんとはなしに、そのように思います。実際寄付するとなると、いろいろ手間だったり面倒だったりするのかしら、どうかな、どうだろ。