道楽合戦

オマージュ練習中につき」にくださったメッセージをうふふとうれしく読みました、ありがとうございます。

メッセージに「なるほど合戦」と書いてあったのを見て、そうか、自覚してはいなかったけれど、あれは「なるほど合戦」だったのか、と得心いたしました。

常日頃からいついかなるときも「たいへん合戦」は控えるべしと肝に銘じているのですが、「なるほど合戦」はまあいいことにしよう、そうしよう。

「たいへん合戦」というのは、相手よりも自分のほうがたいへんなのだと言い募り合う合戦です。この合戦は夫婦間に限らずいろんなところでその出現を見ることができますが、一見「たいへん」には見えないようなことでも「そんなん言うたらうちなんかもっと」というようなパターンで進行するケースもあります。

夫はドラマは照明よりも音楽よりも美術よりも音響よりもストーリー(脚本)と俳優さんの演技を重要視して見るタイプで、夫はどちらかというとそれこそが王道だと思っているらしく、私のような視聴の仕方に対しては「お客さん、見てほしいのはそことちがうんですけど」と何度か言います。

それなのにそんな部分を、ドラマ視聴に関する「感受性のオプションパーツが多い」、と表現していただけると、そうかー、そうなのだー、今度から夫にもそう言おうー、と、拳を握る気持ちになります。

しかしながらこういう視聴の仕方ではどうしても数はこなせません。かといって質が高いかというとそれともまたちがうような、ただただ己の道楽街道をひた走る、おそらくそんなかんじです。

夫の山歩きも「趣味」といえば「趣味」なのかもしれませんが、やはりあれは「道楽」なのではないかと思います。

「趣味」と「道楽」がどうちがうかというと、はてさてどうちがうのかな、ではあるのですけれど、なんとなく「趣味」に比べると「道楽」のほうが脳内麻薬の分泌量が多いような、いわゆる「色ボケじじい」に近いなにかがあるような、そんな気がいたします。

夫婦それぞれが各自の道楽に身を委ね、ときおりこころからの「なるほど」や口先だけの「なるほど」で「なるほど合戦」を重ねてゆこうそうしよう。