麦茶と珈琲

ひと夏の麦茶ポット」に押し葉メッセージをくださりありがとうございます。

そうか、コーヒーメーカーのあのコーヒーをいれるポットももしかしたら毎回は洗っていないご家庭があるかもしれないのですね。

たしかにコーヒーメーカーでいれるのは毎回コーヒーだけとはいえ、コーヒー豆をフィルターペーパーに入れて通過させるフィルター部分にしてもポット部分にしてもコーヒーが付着するわけですから洗いたい気はいたしますが、そうか、そうか、そうか。

夫は独身の頃会社の寮でコーヒーメーカーを使っていたらしいのですが、それでレギュラーコーヒーをいれると使用後のフィルターやポットを洗うお世話が面倒なため、コーヒーメーカーは湯沸かしポットとして用いていたと聞きました。コーヒーメーカーに注いだ水が加熱されゆっくり時間をかけておりてきたお湯がポットにたまったのを見計らってそのお湯をコーヒーカップに先に入れたインスタントコーヒーの顆粒に注いで溶かして飲んでいたのだとか。こうすればコーヒーメーカーの全ての部分が水とお湯にしか触れないので、フィルター部分は常にポット上部に設置したままでポット部分のみ水を新しく入れるときに軽くゆすいで洗っては新しい水を汲んでくるという方式で使っていたのだそうです。

コーヒーメーカーを持っているのにたった一杯のインスタントコーヒーのために湯沸かしポットを買うのも自室の外に出て寮の給湯器の熱湯をもらってくるのもいやだったのだそうです。

しかしだったらなぜ彼はコーヒーメーカーを導入したのだろうか。自分で使ってみるまでそれほどのお世話が必要な道具だということを知らなかったのだろうか。

それとも誰かからのあるいは何かのいただきものでコーヒーメーカーをもらって使ってみたものの自分で使うのはむいていないなと思った経緯があったのだろうか。

ああ、そういえば、私は今は麦茶ではなくて通年でなたまめ茶と加賀棒茶をブレンドしたものを急須でいれて熱いのや室温で冷めてぬるくなったのを好んで飲んでいるのですが、その急須をですね、冬場の寒い時期にお茶を飲み干したあとの急須を毎回しっかり洗わずに急須の中の茶こし部分の茶殻を捨てて茶こしをさあっとゆすいだだけでまた次の棒茶の茎となたまめ茶ティーバッグをいれてお湯を注いで飲んでいたことがあったんですね。そうは言ってもその日と翌日とくらいで三日目にはいやもうやっぱり洗おうよと思ってスポンジ洗いののち食洗機で洗ってその間はもうひとつの別の急須で同じお茶をいれて飲んでいたんです。家族の誰かに飲ませるわけでもなく私一人だけが飲むお茶のことなのでそれでもいいじゃんねくらいの気持ちで。そうしたところ、それと関係あるのかないのかは不明ではあるのですが、しばらくした頃に食あたりっぽい症状に見舞われてたいへん苦しい思いをしまして、そのときに「やっぱり急須はとりあえず毎日洗って新しいものと取り替えよう」と決意したのでありました。