自分で交換水回り

シャワートイレの交換」にメッセージをありがとうございます。

シャワートイレに限らず、シャワーヘッドやシャワーホースあるいは水道蛇口の取手やパッキン交換など簡単な水回りの作業はそれほど苦でなく自分でできるので便利でよかったなと思っています。苦ではないというだけであって好んで趣味として水回り作業をするわけではなく必要に迫られた時限定ではありますが。

でも出入りの業者さんがいる環境でその人に連絡すれば速やかに気軽にやってもらえるのであればそれもありというかそのほうがその道の専門職の人の仕事を生み出すことにもなり経済も循環するしよかりけりだと思います。

二年か三年ほど前の夏に帰省した時義実家のトイレの貯水タンクに何か問題が生じていて、一度トイレの水を流すと次にトイレの水を流せる量の水がタンクに貯まるのに20分以上かかる状態になっていたことがありました。義両親ふたり暮らしなら20分くらい間をあけて順番に使うなり二人分まとめて流すなりすることも可能でしょうが、私達夫婦が滞在している間はおとなが四人、そこに義妹や義妹の子どもらが来たとしたら総勢七人、それだけの人数が集まるかもしれない家のトイレがこの状況なのはいかんでしょう、とすぐに業者さんを呼ぶことを提案したのですが夫も義両親も「業者さんもお盆休みじゃろう」と動かないので、じゃ私が見てみますね、とトイレの貯水タンクを開けて中を分解し不具合のある部分を突き止めその部分が正常に働くように手入れして、その不具合の原因になっているもの(井戸水中のミネラルや砂泥など)の蓄積した管やタンク内を洗浄清掃したことがあります。義実家のトイレの貯水タンクはなぜかあまり単純ではない構造でそれを見た夫は「こんなん無理やろ、そっとしとこうや」と言っていましたが、何もせずそっとして二泊三日を過ごすほうが私には無理でした。

もしもうまく戻せなくて水洗が全く作動しなくなったとしてもそのときにはバケツにお風呂で水をくんできて便器にざばーっと流せば済むことなのでとりあえずやってみようと。そこまで壊れれば義両親も諦めて盆明け早々に業者さんを呼ぶだろうしそれもまたよしと。

最初は私に必要な工具を手渡すなど作業の助手をしてくれていた夫は途中で食材買い出しに行ってくると義母ととともに出かけ、その間に私は義父に庭先の止水栓の開閉作業をお願いしつつメンテナンスを行いました。義父は「これを使ったらその汚れも落ちるかもしれん」と通販で購入したらしい洗剤を出してきてくれただけでなく私が「おとうさん、これすすぎをお願いしてもいいでしょうか」と渡した部品や雑巾を洗って持ってきてくれるなどよい連携プレーができました。その作業で2時間くらいはかかったような気がしていますが、ともかく無事に手入れを終え、義実家のトイレは通常どおり使えるようになりました。

その不具合がいつごろから生じていたものなのかについては不明ですが、トイレが直ったことで義母はそれはたいそう喜びました。そして「ありがとありがと、みそさん、すごいねえ、こんなことまでできるなんて。自分で直せるなんて思ってもおらんかったよ。おとうさんが業者さんを呼んでくれるまでどうしようもないんじゃと思っとった」と何度も何度も私を讃えてくれました。あの喜びようと貯水タンクの中の状態から想像すると数日や数週間ではない数ヶ月かもしかするともっと何ヶ月もの長い間トイレの不便に耐えていたのかもしれません。

そのときに義母には「タンクの中にクエン酸が入るようにときどき手洗いの穴のところにスプーン一杯くらい入れちゃったらいいですよ、タンクの中に汚れがつきにくくなるけん」とクエン酸を買ってきて紹介しました。

翌年の夏に帰省した時にはトイレはよい状態でタンクを開けて覗いてみたら中もそれほど汚れておらず「おかあさんがこまめにクエン酸を入れてくれようてけんじゃろうか、貯水タンクの中もきれいで流れも順調ですね」と言うと義父が「ちいと前に業者さんに来て見といてもろうたんじゃ」と言いました。義母は「クエン酸もときどき入れようるよ。そのせいか便器の中もなんかきれいになってなんとなくにおい防止にもなっとる気がする」と言うので「そうそう、おかあさん、そのとおり。クエン酸にはその効果もあります」と伝えました。

義実家にクエン酸が常備されるようになったおかげで、水道蛇口のフィルターや洗面台シャワーヘッドの穴などのつまりもメンテナンスしやすくなり、これまでへんな方向に拡散していた流水がきちんとまっすぐに適量が流れるようにもできてこれまた義母には「みそさん、すごいすごい、誰もそんなところがいい具合に直ると思ってなかったよ」と褒め称えてもらえました。蛇口部品のメンテナンス(外して浸け置き洗いしてブラシ等で細かいところまで洗ったあとで元に戻すだけですが)については私がやるのを見て手順をおぼえた義母もその後時々行うようになったらしく「気持ちがいいくらいにきれいになる、これはハマるね」と言っていました。

義父はトイレの不具合を放置しておくと嫁が勝手に何をしでかしてトイレを壊すかわからない、それなら事前にお金をかけて業者さんにメンテナンスしてもらっておくほうが安心だと学習してくださったのか、それとも私のメンテナンス作業の補助を行うのが老体にはかなり堪えたのか、ともかくトイレの快適が保てるようになりめでたしめでたし、です。私も帰省したときにトイレメンテナンスすればできなくはないけれど、事前に業者さんによるメンテナンス済みの快適なトイレを使うだけで私は何もメンテナンス作業はしなくてよいほうがずっと好みで嬉しいです。